青魚を飼う


〜自宅飼育で学ぶその生態・習性〜


●四大家魚のうち、飼いやすいのは青魚。

 現在、青魚を飼育している。

飼うといっても、池があるわけではなく、水槽で幼魚の飼育。以前、コクレン含めた「四大家魚」すべてをそろえて飼ったことがある。

そもそもの動機はこれらの魚の釣りをはじめて、あまりにもその情報が不足しており、習性の研究が必要であるとかんがえたからだ。


しかし、四大家魚をすべてそろえて、ということはその入手をふくめて、尋常なことではない。 ソウギョ、ハクレンはその数の多さもあり、すでに人工繁殖が確立しているので、金魚店などでときおり目にすることがあるが、 コクレン、アオウオは国内では種苗生産が皆無で、ごくまれに、輸入されたものをマニアックな専門店で入手できることがある。 アオウオは水族館などで実は人気があるそうだ。

 おそらく埼玉県立羽生水族館をのぞいて、 日本では我が家だけだと自負しながら飼っていたが、特にコクレン、ハクレンは難しい。草魚もまあまあだが、 実は青魚がもっとも飼いやすく、今でも二匹いる。大きいほうは既に8年以上飼っている。 90センチの水槽に入れているため、40センチほどで成長がとまっているが、自然の川だったら、 1メートル20センチくらいにはなっているのではと思われる。

●鑑賞魚としての青魚

最初はやや臆病で神経質な点があるが、四大家魚のうちではもっとも飼いやすい。 幼魚の魚体はハヤ(ウグイ)に似たスリムなシルエットだが、 黒褐色のボディとアンバランスなほどのヒレの長さが、大魚の雰囲気をすでにかもし出す。鑑賞魚としても優美で美しいと思う。

親魚は川で背中を出す(「抜ける」)ときがあるが、やはり家のアオウオも、活性が高まると、水面から上下を激しく動く日がある。 これは気圧の変化によるものではないかと思われるが、釣行日のコンディションを占う意味でも役にたつ。

餌はもっぱら錦鯉用のスイミーで飼育しているが、釣りの餌としても使う、 カラス貝、タニシ、シジミといった貝類は、生まれつきインプットされているか、大好きである。 二枚貝のカラス貝は釣り餌用に同じ水槽で保管しているが弱ると口を開く。 直径10〜15センチほどの貝は肉もたっぷり分厚いが、美味そうに口に頬張り、 吐き出しと吸い込みを繰り返しながら、綺麗に食べてしまう。 タニシやシジミは殻ごと一気に口に含んで、喉の咽頭歯でコリコリと噛み砕く音が聞こえる。

●フィッシュイーターとしての側面を発見

このように、動物性の食性が顕著であるアオウオに、実は驚くような可能性を発見した。 まず、他魚に対して攻撃的なところがあり、いたずらなのか縄張りなのか、そばに来た他魚を追いまわすことがある。

これはまあいいとして、先日、アオウオの12センチほどの稚魚を二匹新規に購入し、入れてみたところ、 随分追いまわすので気になっていたが、そのまましばらくほうっておいて水槽をのぞいてみると、 大きいほう(40センチ強)のアオウオに吸い込まれてしまったのである。 とはいえ、自分の体長の4分の1を超える魚、丸呑みにしたのはいいが、かなり苦しそうではあった。 アオウオの口からアオウオの尻尾が出ている、グロテスクな地獄絵図。

以前も、カラス貝にタナゴの卵があったのだろう、稚魚が100匹以上生まれ、 柿の種ほどの子タナゴになったのだが、だんだん数が減り、しまいには姿も形も消えてしまった。 このときもアオウオがあやしいとにらんでいたのであるが、 フィッシュイーターとしての側面が検証されたわけだ。 これは、新しい釣り方のヒントであり、今いろいろとひそかに考えている。

飼ってみて初めて見えてくることがある。また、惚れ込んだ魚を毎日見られるのは幸せなことだと思う。しかし、国内での入手は極めて難しいのが現状。ぜひ飼いたいと思われる方は「リンク集」にある通販可能な鑑賞魚店にご連絡されたい。


中国四大家魚の水槽飼育の具体的事例は家魚倶楽部をごらんください。

HOMEへ戻る